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第十三回「不動産売買システムについて考える」

本コラムでは主にこれまで、賃貸仲介・管理のシステムについて取り上げてきました。
今回は不動産売買のシステムについて考えてみようと思います。

筆者の知る限りでは、賃貸系のシステムと比べると、売買系のシステムは少ないように思います。賃貸仲介店舗と比較すると売買を取り扱っている店舗が少ないことが原因なのかもしれません。
また、取り扱う件数が賃貸と比較し少ないものの、金額が大きいことから不動産会社では、それなりの経験を持ったスタッフ(いわゆるベテラン)が対応しているように見受けられます。しかしながら、売買営業もシステム化し利用していくことで、統一された売買営業管理のオペレーションの確立と同時に、スタッフを育てていくことも大切です。

著者:不動産IT技術研究会

1.売買のシステムの基本機能

では、売買システムにはどんな機能があるのでしょうか。

現在、販売されているシステムを見ると以下の機能は共通しているように思われます。

  • 顧客台帳(売主・買主)
  • 物件台帳
  • 営業日報管理
  • 成約管理
  • 契約書類の出力
  • ポータルサイトへのデータ連動

これらの機能だけを見てみると、データ連動を除けば賃貸ほどの取扱件数がないなら、エクセルで対応できてしまうような気がします。では、他にどのような機能があればよいのでしょうか。

2.シミュレーション機能の充実

すでに機能を備えているシステムもありますのが、売買営業にかかせないのが返済計画のシミュレーション機能です。提携金融機関の最新の金利をマスタ化し、お客様の返済計画をスピーディーに提案できることが重要になります。

3.財務システムとの連動

賃貸管理システムではすでに実現されていますが、これがスムーズに連動すれば、内部処理が大幅に削減でき、年間の売り上げ計画などの管理会計データを作成することが容易になると思います。

4.賃貸管理データとのリンク

賃貸のデータとのリンクというと、ピンとこないかもしれませんが、居住用ではなく投資用で区分所有や1棟の賃貸マンションを探されているお客様もいらっしゃいます。
その際、売却を検討している管理物件の家主様がいた場合は、その管理物件のデータを活用して、いわゆるレントロールや実際の家賃収入などのデータを提示することができ、借り入れの返済計画と合わせて、さらに具体的な数字のシミュレーションが可能になります。

5.顧客向けの機能の検討

賃貸管理システムもそうですが、これまでのシステムは社内のスタッフ向けの機能が中心になっていました。
ただし、今後はお客様が自分で触れるような機能を提供できると面白いと思います。
例えば、お客様が購入をシミュレーションできるような機能を専用アプリやWEBサービスで提供して、お客様を囲い込むような機能もあるとよいのではないでしょうか。