不動産業界におけるコンプライアンスチェックの重要性を考える/第五十一回
不動産IT技術研究所
新年度も近づき、不動産会社に従事する新社会人や転職する社会人の方もいらっしゃると思います。これから不動産会社で働く方には、どんなITスキルが必要でしょうか。第一回は「不動産会社社員に必要なITスキル」というテーマでお話をしたいと思います。
今はWord、Excelを学校などで利用していることも多いと思いますので、基本的な操作については説明を省略します。
ところで、みなさんは本当に使いこなせていますか。Wordはただ文章を書くだけのソフトではありません。また、EXCELは単に表やフォームを作成するだけのソフトではありません。
例えば、家主向けのダイレクトメールの宛名シールを印刷出力したいと思った時、会社の不動産システムにその機能がないからといって、高い改造費を払ってカスタマイズをシステム会社に依頼する必要はありません。なぜなら、WordとExcelを組み合わせれば、簡単にすることができるからです。
また、難しい分析機能を不動産システムに求めなくても、元となるデータを不動産システムから抜き出すことができれば、Excelのフィルターやピボットテーブル、グラフ機能などを利用すれば、自分仕様の簡単なDWH(Data Ware House)を作成することができます。これらの具体的な例については、別の機会にお話ししますが、操作方法やサンプルはインターネット上にたくさん公開されていますので、是非自分で試してみてください。
筆者も部屋を探すときに、不動産会社の担当者とメールでやり取りする場合があります。
家のパソコンで見るときなどはよいのですが、時には通勤時に携帯でメールを確認する場合があります。その際、たくさんの物件情報の写真や資料を高解像度の画像ファイルやPDFで添付して送ってくる業者の担当者がいらっしゃいます。
筆者の場合はその時点で、業者さんのセンスを疑ってしまいます。そんな時に、スマートなメールを送ってくる担当者だと、「この不動産会社または担当者はできる!」と思い、その担当者を気に入って積極的にやり取りする場合があります。
LINEなどがコミュニケーションの主流になってはいるものの、やはりE-Mailは業務ではまだまだ主流です。文字制限もなくファイルもいろいろ添付はできますが、まとまりのないメールや重たいファイルは、一気にお客様を遠ざける要因にもなります。
要点をまとめ、また物件情報は極力WEBサイトのリンクを貼るなどのスマートで且つメリハリの利いたメールの作成を心がけましょう。
Facebookは先進国ではユーザーが減ってきているとも言われています。とはいえ、みなさんの周りにもFacebookのアカウントを持っている友達はまだまだいらっしゃるのではないでしょうか。大手不動産会社などでは、ほとんどが公式のFacebookサイトやTwitterアカウントを用意しています。みなさんが従事される不動産会社はいかがでしょうか。もし、もっていないようであればこれらを試してみるのもよいと思います。
但し、これらSNSは文字数の制限がありますので、インパクトのある(公取が禁止しているキーワードはもちろん使用してはなりませんが)投稿をすることを心がけてください。自分が部屋を探しているときに、どうしたらTwitterやFacebookに掲載された物件情報に興味を持つかという視点を大事にしてください。
みなさんが勤務されているまたは勤務する予定の不動産会社はどのような会社でしょうか。地元の老舗の不動産会社、大手FC(アパマンショップ、エイブル、ピタットハウス、ミニミニなど)などさまざまな不動産会社があります。そして、今や不動産業務に不動産システム(営業支援システム、賃貸管理システムなど)は欠かせないものとなっています。
不動産システムについては、次回詳細をお話しするとして、これらのシステムを使いこなすことが最優先です。FC加盟店の場合は、本部が提供しているシステムが備えられていることがほとんどです。その場合は、本部が主催している加盟店向けの研修が行われていますので、上司にお願いして積極的に参加して、基本操作や概念をいち早くマスターしましょう。
また、FC加盟店ではない場合は、市販の不動産システムを導入している場合があります。その場合は、マニュアルを読むのももちろんですが、操作に精通している先輩に聞いたり、提供元のシステム会社が行っているサービスなどを利用して操作を覚えましょう。
みなさんは、既にスマートホンやタブレットのいずれかをお持ちの方が多いと思います。
スマートホンやタブレットは会社で支給される場合もあれば、そうでない場合もありますが、いずれにしても今や仕事になくてはならないツールとなっています。
スマートホンやタブレットのアプリをうまく活用することで、一層スピード感のある仲介業務を行うことができます。これらのツールは無料で提供されているものも多いです。
スマートフォンやタブレットで、これらのツールをグループ化し、すぐに利用できるようなインターフェイスを用意しておくとよいと思います。各種ツールについては、また別の機会にご説明します。