不動産業界におけるコンプライアンスチェックの重要性を考える/第五十一回
不動産IT技術研究所
今回は、「賃貸売上の向上」というテーマでお話ししたいと思います。
まずは、現在の売上の内訳を確認しましょう。賃貸売り上げの場合、主な内訳は以下のような項目になります。
1、仲介手数料
2、広告料
3、各種手数料(保険手数料、夜間サポート、家賃保証サービスなど)
4、工事売上(原状回復、リフォーム工事など)
確認したら契約件数で割り、1件当たりの「平均売上単価」を算出します。
仲介件数を増やすために必要なことはなんでしょうか。営業社員のスキルアップを考える前に、まずは「商品量」「商品力」「情報量」の3つを押さえることが需要と考えます。
1、商品量
自分がお客様になった場合を想定しましょう。電化製品を買う場合、商品の種類が多いお店のほうがもちろんよいに決まっています。不動産も同じです。品ぞろえが多い不動産屋のほうが間違いなくお客様は来るのです。
商品量を増やすためには、インターネットや他社から物件情報を仕入れ、その地域で賃貸物件ならすべて把握していると言えるような状況を目指しましょう。
スタッフの人数にもよりますが、仕入の専任担当を置くのもよいでしょう。
2、商品力
商品量が増えたら、次に商品力を上げましょう。いくらたくさん商品があっても商品の質が悪かったら誰も買いませんよね。
仕入れをした商品を品質順にグループ分けをし、品質が悪いものは家主へリフォームの提案を行うなど、積極的にグレードアップの提案をしていきましょう。簡単ではないかもしれませんが、工事売上のアップに繋がる重要な仕事です。また適正な家賃の見直しも同時に行います。
3、情報量
商品量、商品力が整ってきたら、次に重要なのは情報量です。電化製品を買いに行ったときに店員さんに全然知識がなかったらどうでしょうか。不動産も同じです。営業担当者は商品に関する以下の情報を徹底的に覚えましょう。
・建物本体の情報(築年、構造、ベランダの向き、リフォーム済かどうか)
・建物周辺の情報(学区、病院、最寄駅、スーパーなど)
・比較する類似物件
物件資料を見なくても答えられるようになるとよいですね。
平均売上単価を増やすためには、仲介手数料や広告料だけではなく、商品売上を増やすことで手数料売上を増やすことが重要です。
もしみなさんの会社の商品売上が多くないのであれば、以下のような商品を取り扱っている業者などに問い合わせをして手数料の高い商品を増やすなど検討してみてください。
・保険手数料
・家賃保証サービスの手数料
・緊急対応サービスの手数料
・NHK視聴料の取次手数料
・インターネットやケーブルTVの取次手数料