不動産業界におけるコンプライアンスチェックの重要性を考える/第五十一回
不動産IT技術研究所
今回は、「不動産のホームページ」というテーマでお話ししたいと思います。
今や、お部屋探しはホームページで行うことが常識となりました。
どこの不動産会社でも、大手不動産ポータルサイト(athome、ホームズ、SUUMO、CHINTAI、マイナビなど)や加盟しているフランチャイズ本部のサイト(ミニミニ、エイブル、アパマンショップ)に物件を掲載していると思います。
皆さんの会社では、ホームページからの問い合わせはどのように管理されているでしょうか。今や不動産ポータルサイトはたくさんあります。1社のみに掲載している会社はあまりなく、ほとんどはいくつかのポータルサイトに掲載をされているかと思います。おそらく、反響数はEXCEL等のシートを利用して、月次で集計されているケースが多いと思います。
あくまで例ですが、以下のような分析を行ってホームページによる広告費の適正を図ることが必要です。
(1)分析のための要素
分析するためには、毎月、以下の数値を集計しましょう。
1、サイト毎の反響数
2、サイト毎の契約金額(売り上げ)
3、サイトに掲載する費用
(2)不動産ポータルサイトの比較(ホームページ売り上げ)
大手の不動産ポータルサイトは広告費をかけていますから、知名度もありますし、検索サイトでも上位に表示されます。そのため、サイトのアクセス数のようなものを気にするのはあまり意味がありません。但し、1~3を比較し、広告の費用対効果は毎月分析する必要があるでしょう。あまり反響のないサイトであれば、掲載をやめるという判断も場合によっては必要です。
会社の経営における広告宣伝費として、どれぐらいが適正価格なのか、まさにこの分析が鍵になってくると思います。
EXCELの集計シートなども工夫することで便利に利用することができますが、集計するデータなどはシステムから提供されることも多いので、場合によっては利用されているソフトウェアベンダーに相談するのもよいと思います。
不動産ポータルサイトがこれだけ増えると、果たして自社サイトでSEOに力を入れるのは必要でしょうか。筆者の個人的な見解にはなりますが、自社サイトをYahooなどの検索サイトで上位にヒットさせるのは、それなりの知識とコストが必要となります。そういう難しいことは、不動産ポータルサイトやフランチャイズのサイトがやってくれますから、そちらにお任せしましょう。
では、自社サイトは不要かというとそうではありません。大手の不動産ポータルサイトなどでは表現できない部分は自社サイトを活用して行いましょう。
例えば、各種キャンペーンや新築物件の詳細な特集ページなどです。
さて、不動産検索サイトによる部屋探しが始まってずいぶん経ちます。筆者が感じるところでは、技術的な部分ではIT技術の進歩に伴い、便利になっているものの掲載されているコンテンツはあまり変わっていない気がします。ただ、IT重説の実験が進んでいることから、これからは部屋探しの次の段階、つまり契約や入居手続き、入居管理といったものが不動産サイトのコンテンツとして増えていくのではないかと思います。