不動産業界におけるコンプライアンスチェックの重要性を考える/第五十一回
不動産IT技術研究所
今回はITを利用した業務の更なる効率化について考えてみようと思います。
不動産の業務は、仲介も管理も結構細かい作業が多いです。そして電子よりも紙の文化がいまだ根強い業界でもあります。まだまだアナログが大活躍している業種と言ってもよいでしょう。
さて、お客様に物件の情報を提供する際に、どのような方法を行っていますか。さすがにFAXで送るというのは最近は少ないと思いますが、おおよそ以下のような対応が多いのではないでしょうか。
・PDF化した資料をメールに添付
・物件のホームページのアドレスをメール本文に記載
これに例えば、googleマップに物件をマッピングしたリンクを送ることで、周辺情報を同時にお客様に提供することができます。また、他の物件などもマッピングしておくことで同時に他の比較物件の情報も提供できます。
物件の問い合わせは、今はほとんどがメールになりました。しかしながら、メールの履歴は一元管理できているでしょうか。問い合わせ元が自社サイトからもあれば、スーモやホームズなどのサイトからの問い合わせもあるかと思います。
メールの管理ツールを提供しているサイトが多いですが、サイト毎にメールの管理が分散していると集計も大変です。かといって、各担当者のPCのメールソフトで管理すると、履歴などは担当者以外しかわからない状態となり、担当者が不在の場合に誰もわからない状態になってしまいます。
グループアドレスを作成し、WEBベースのメール管理ツールなどを導入することで、メールの履歴を一括管理でき、キーワードや送信元でグループ化すれば、集計や分析も楽に行うことができます。
業務では、正式なファイルもあれば、担当者が個人で作成して保存しているファイルもあります(以下、中間ファイルと呼びます)。これらのファイルはフォーマットも決まっていなければ、保存ルールもありません。正式なファイルではないため、あまり気にすることはないと考えがちですが、そのファイルのフォーマットを各自が作る時間は非常に無駄ですし、担当者が変わるごとにあちこちに分散して保存されます。そのような無駄をなくすために、まずは業務に必要なファイルを洗い出してみましょう。そしてそのフォーマットを定型化し、文書管理サーバなどを用意し一元管理するようにしましょう。
業務の中で、単純で大量に処理をするようなものがあります。管理業務の場合、請求書や送金明細書の印刷などです。こういう処理は通常業務中に実行するのは、複合機を占有するだけでなく、待ち時間が発生します。このような処理をバッチ処理として、自動化することをお勧めします。具体的には、サーバのスケジュール機能でバッチを呼び出し、夜中に印刷処理を実行します。但し、これにはシステムベンダーの協力が必要です。
また、ファイルを送ると印字と郵送まで代行してくれるサービスもありますので、そのようなものを利用するのもお勧めします。