不動産業界におけるコンプライアンスチェックの重要性を考える/第五十一回
不動産IT技術研究所
今回は、ホームページの活用についてお話をしていきたいと思います。
皆さんの会社はおそらくホームページをお持ちと思います。
では、具体的にどのように活用されているのでしょうか。現在、部屋探しは大手ポータルサイトで検索し探す方が圧倒的かと思います。
少し古いデータですが、2015年7月17日に株式会社リクルート住まいカンパニーが公表した情報では、部屋探し時に利用した情報源で「スマートフォン」は23.9%になり、不動産会社への訪問数は平均1.5店舗。0店舗の人が増加傾向にあるとされています。注目すべきは0店舗の人が増加傾向あるという点です。ということを考えると、ポータルサイトはある意味で第2の店舗と考えたほうがよいでしょう。
上記のことから、お部屋探しをするお客様は殆どポータルサイトで検索をされると考えてよいと思います。では、自社のホームページに掲載している物件情報はどのように捉えたらよいでしょうか。
筆者の自宅近くの不動産会社のホームページを検索してみますと、正直申し上げて雰囲気は10年前と全く変わっていません。物件情報が確かに掲載されており、検索機能もありますが、ポータルサイトにはやはり変わりません。そもそも掲載されている情報の鮮度も気になるところです。
筆者が思うに、自社のホームページはどちらかというと家主様向けのコンテンツを充実すべきではないのでしょうか。なぜなら、大手ポータルサイトは、部屋探しの利用者を主なターゲットとしているため、そのようなコンテンツはないからです。管理会社であれば、管理サービスの充実度をPRしたり、仲介会社であれば、会社としての営業力をアピールするなどに徹するのがよいのではないかと思います。
大手ポータルサイトについては、掲載についてのコンプライアンスもしっかりしており、宣伝文句の適切性や掲載期間も過ぎた場合は自動的に掲載されなくなるなどのいわゆる公取対応もコストがかかっている分、信頼できる情報が掲載されていると考えます。
また、SEO対策などもコストをかけてしっかり行われています。これらを自社でまともに対応をするとなるとスタッフの確保やコストなども馬鹿になりません。やはり、専門のことは専門家に任せるのが一番であると考えます。
自社のホームページのコンテンツと大手ポータルサイトの利用、ホームページの維持コストについて、改めて見直し、計画的かつ戦略的に適切な投資を行うことがよいと思います。